女性の育毛に効果的な漢方薬って?
漢方薬で腎の働きを整える薄毛ケア
「育毛にいいと言われるものを色々試してみたけど、あまり効果がなかった」という場合には、漢方医学の観点からアプローチする方法もあります。漢方薬は西洋薬とは違って即効性を望めませんが、複数の要素が重なって起きている髪の悩みを根本から解消してくれる可能性があります。
漢方医学の観点からすると女性の薄毛は「血虚」「気虚」「腎虚」という状態が原因で起こると考えられています。血虚はダイエットや偏った食事などによる栄養不足から血行が悪くなっている状態をいい、気虚はストレスなどで自律神経のバランスが崩れている状態、腎虚はホルモンバランスが乱れている状態を指します。
特に女性ホルモンの減少が顕著になる40代以降の女性に多いと言われているのが、腎虚です。腎の働きだけでなく身体全体のコンディションを整えながら、じっくりと育毛を促進したいなら漢方薬を試してみるのもいいでしょう。
抜け毛対策におすすめな漢方薬
漢方医学で女性の薄毛の原因といわれる血虚、気虚、腎虚に効果的な漢方薬にはたくさんの種類があります。それぞれの状態に対して有効とされる代表的な漢方薬を3つ紹介しますので、漢方薬を試してみたいという方は参考にしてみてください。
当帰芍薬散
栄養不足で血のめぐりが悪い状態である「虚血」に処方される漢方薬です。体を温めて全身の血行を良くすることで、頭皮の血行を改善し毛根に栄養が行き渡りやすくなります。
柴胡加竜骨牡蛎湯
ストレスなどで自律神経が乱れている「気虚」の症状に処方される漢方薬です。細かいことが気になってイライラしたり、気が高ぶったりするのを鎮める作用があります。それによって薄毛の原因の一つと言われるストレスを軽減する効果があります。
八味地黄丸
加齢によるホルモンバランスが乱れた状態である「腎虚」に処方される漢方約です。年齢に伴う体の衰えに効果的で、減少していく女性ホルモンを活性化させることで育毛効果が期待できます。
漢方薬の正しい服用方法
漢方薬の効果を充分に実感したいなら、正しく服用することが大切です。まず服用のタイミングに気を付けましょう。
西洋薬の場合には食後30分以内に服用と書かれているものが多いですが、それは薬によって胃を荒らしてしまう可能性があるからです。一方で漢方薬の場合には食前(食事の30分前)か食間(食事の2時間前)に飲むように指示されていることが多いようですが、これにも理由があります。漢方薬は複数の生薬からできていますが、食後に服用してしまうと胃の中で食べたものと漢方薬が混ざり、生薬の絶妙なバランスを崩してしまうことがあるのです。その結果、漢方薬を飲んでいても効き目が感じられないといったことにつながります。
そして漢方薬に限らず、薬は白湯か水で飲むようにしましょう。特に漢方薬は濃いお茶や牛乳などと一緒に服用すると、生薬成分と反応して効き目が薄れてしまうことがあります。
市販の漢方薬を服用する場合でも、サプリメントのような健康食品とは違いますので定められた飲み方を守るようにしましょう。